テキストサイズ

恋と秘密と幼なじみ

第10章 夏の暑さと映画デート

「なんかって?」
「いや、ほら……邦画の恋愛ものってあんま観たことないし」
「別にいいでしょ、たまには」
「ま、まあそうだけど……」

女子中高生だらけの中で観るのが恥ずかしいと思っていることは察していたが、敢えて鈍感な振りをする。

「ケータイ小説が原作ってねぇ……なんか微妙な感じじゃない?」
「何その言い方。ケータイ小説作家さんに謝って」
「……ごめんなさい」
「じゃあいいよ。プリキュアにしようか?」

澄ました顔をしてロビーを駆け回る女の子達を見ながら提案してやった。

「オ、オレ様王子と反抗的な羊ちゃんにさせて貰いますっ!」

祥吾は慌ててチケット売り場の列に並ぶ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ