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第8章 迫る悪夢

『アイル…どした?』

『・・・』





『…眠れないの?』



『・・・』




少し〃ううん〃と言いかけて

アイルはコクッとうなずく







『……こっち、おいで』





ソファのオレの隣に手招きする




座ったアイルを黙って抱き寄せ
膝にのせる






オレは…浅はかだったな…。





恐かったに…決まってるじゃないか






特に何も話さずに
アイルの頭をぽんぽん撫でた





『あったかい…』


『うん?』






『リョウキの手…

あったかくて

大っきくて・・・すき』






『…~手かよ(笑)』





軽く吹き出しながら
ずっと頭をなでる




アイルが小さく寝息を立て始めた




大丈夫…何も起こらない



大丈夫だ。







オレ自身に言い聞かせながら
今日の出来事の不安をかき消した。




程よく酔いがまわって
この体勢は…



オレには・・・




オレには、とてつもなく…














『〃生殺し〃だ……っ…』







アイルをちゃんと寝かせよう・・・


が半分…





生殺しが辛い・・・が半分…






いや4:6・・・3:7か






まぁいい(笑)






やっぱりアイルを
ベッドに運んで寝かせることにした




スースーと静かに眠るアイルを
しばらく見つめる






『大丈夫…』





もう一度言い聞かせる



かるくキスを落として
酔いでオレもそのまま横で寝てしまった










『ん…?』


朝目を覚ますと
隣で寝ていたはずのアイルがいない。


少し
慌てて起き上がる。

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