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第8章 迫る悪夢

『よし。じゃあ先、風呂いけよ。
これ着替えな。シャワーで良いか?』

『うん…もちろん。ありがと』


アイルを浴室に案内して
さりげに洗面台の扉をあける

他…何か必要なもんあるかな…?


〃げっ…!!!;〃


ゴトンゴトンと
化粧水やらブラシが転がる

……元カノの化粧品

こんなモンの存在すっかり忘れてた!


…べつにやましいことはないが焦る…焦る!


アイルがもしも見たら
良い気はしないだろう!?


…ゴミ袋!…ゴミ袋~~!


…散らばった化粧品をかき集める



『ねぇリョウキ?』


ガチャっと音がして浴室から
アイルがひょこっと顔を出している



『のっ……?!』

『…の?』


首をかしげるアイルに対して
オレは背中で洗面台を隠した


…カナリ不自然なカッコ~…?




『お湯のスイッチって こっちでいいのかな?』

『あ~…あぁ、うん。合ってるよ』



『ごめん。ありがと
じゃ…シャワーかりるね』


『うん』





『りょうき?…さっき何か隠した?』


再びアイルがひょこっと顔をだす


『は?!…や…?~いやっ…?;』


『クス…へんな りょーき』


バタン

浴室のドアが閉まってホッとする



~~何やってるオレ…

マヌケもいいとこだぞ



『お風呂先にごめんね。お待たせ』

『おぉ』


アイルが髪を拭きながら出てくる

…ブカブカのTシャツを着て



『…サイズちょうど良かったな(笑)』

『…ワンピならね(笑)』



『今日は早めに休みな?』


アイルを寝室に先に連れて行き
ベッドを少し整えてから指差す


『…リョウキは…?』

『オレ、向こう
ソファで寝るから。おやすみ』




『ちょっとまって
あたしがソファでねるよ?』


『いいから、いいから~』





『ソファじゃ
リョウキはみ出ちゃうよ…それに』

『オレはまだやることあるから。おやすみ』



寝室のドアをしめてリビングに戻る


ソウタさんにメールを入れて
ビールを開けてかるくあおった


少し仕事の資料に目を通したりしてみるが
上の空になる


しばらく、ぼんやりと…考え事をする


さっきのソウタさんの話が、どうしても…





ガチャ…

リビングのドアが開いて、振り向くと
アイルがドアの向こうから顔を出す

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