テキストサイズ

Best name

第32章 最高の名前

お父さんは

むしろそうしなさい

とまでアイルに言っていた




『元よりお前が
自由に決められる事だ

飛び回ってばかりの親より…
そばでずっと見ていてくれた親の方が
ずっと安心だろう…ふふ

あ…~結婚は…
周りの人への感謝を示す事でもある
・・・なんて聞いたことがあるからね

それをするなら、そこで
今アイルがいるところに
…そこに越したことはない

式も…挙げる予定はあるのかな?
~父さんに気遣いはいらない
もちろんママにもだ…。

カツラギさんに・・・ご恩返しを

今までアイルを…今のお前を
支えてくれる人達を大切にして

皆さんに感謝して
幸せになりなさい、アイル』







なんて・・・〃お父さん〃だろう。






そんなお父さんに

オレは…ついつい聞いてしまった





『あの・・・お父さん?

何か…オレに〃アドバイス〃下さい(笑)』




『・・・。私に・・・聞くのは

皮肉と言うものではないかな?…ふふ』





『いいえ。

お父さんだから、聞きたいんです』




『~~。…あまり説得力のあることは

失敗の経験から言うなら……だが

〃夫婦共同作業〃をなくさない…こと

だろうかね?・・・』





『共同作業・・・ですか?』



『時代も変わっていくものだ

男は外へ
女は内で…と言う時代ではない

私の…元妻も典型的な例だ

~…そんな中で…そうだね
子育てには

ちゃんと加わること…だろうかね。

夫婦二人で向き合い・・・二人で』





『…これ以上ないアドバイスです。

ありがとうございます・・・!』




『皮肉だなぁ・・・ハハハ』





『違いますよ(笑)』


『ハハハ・・・あ…~娘は

良い意味で

親に似ていないと思っているし

安心しているよ』





『え・・・💧』


『ハハ……~タキガワさん?』





『はい…?』

『いや……〃良希くん〃…』




『……?』










『娘を・・・よろしく』










『……はい・・・っ』






お父さんが微笑んで

オレに手を差しのべてきた

かたく握手を交わした




この時の、お父さんの

ギュっ……と言う力強い手と…目を

オレは忘れられない


娘の幸せを

心から願った父親(おや)の顔を・・・

ストーリーメニュー

TOPTOPへ