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第32章 最高の名前

『アイル・・・お母さんの事だけど…』


『え・・・・・っ』




ピクっ……アイルの肩が動く。




オイオイ?

オレもギクッとする








『ママを・・・許してやってくれないか?』






『ぇ・・・・・と』






『全部、父さんが悪いんだ』







『どう…して?

どうしてパパが・・・悪いの?』




『・・・・・』




『私・・・二人のこと

悪いなんて思ってないよ?』





お父さんが

神妙な面持ちになって一息つき

アイルに語りかける。





『お前には…幼い頃からも

これまでも本当にすまない事をした』



『ちょっと・・・パパ?』




『謝って許される事じゃないけれど

本当にすまなかった・・・アイル…』




話し出したお父さんを

オレとソウタさんは黙って見守った。




『やめ・・・てよ

急に…どうして?パパ・・・私…』




アイルがチラチラと

オレとソウタさんを見て気にする。




ソウタさんが

アイルの目を見て首を横に振り

続いて縦に振った。



〃いいから・・・聞きなさい〃



…と言うように。









『父さんも母さんも

間違っていた。

間違えだらけだった』




『ちがう・・・よ。

私が・・・わるいんだもん』






『いいや…それは違う。

子供のしたことは
どうあれ親の責任だから

それ以前に…お前に
お前に本当に

酷なことを
しいってきたと思っている』



『・・・』






『目を背けて…向き合わずにきて

お前に……いらぬ苦労をかけてしまった

父さんが、間違ってたんだ

もちろん・・・ママも』





『っ・・・』


アイルの肩が震えた





『…ママが・・・今回もアイルに

それは酷い事をしたようだけど・・・』




『・・・』




『許しがたい事だし
勿論許せなどと言わない

・・・あ…矛盾しているかな。

父さんが・・・悪いんだ』



『……パパ。意味が・・・わからないよ…』




『ん…そうだね

~ママが・・・お前にしたことは
とても悪いことだ

ただ・・・そこに
ママにしかわからない

理由があったと思うんだ…』




『ぇ・・・・・・』


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