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第30章 それぞれの、生きる場所…

砂嵐みたいなオレの視界…


そして……無数のノイズの中



『…キっ!』



〃?〃





なんか・・・聞こえてくる







『~~ゥキ!!』






〃?……〃





声が……聞こえる……。












〃『リョウキぃっ!!!』〃


























『ハっ……』


我に返ったかのように目を開き
声の主を探した


目線を少し上げる…




大勢の声援に混じっているにも関わらず

くっきり…はっきりと聞こえてくる



オレを呼ぶ声…。










オレの立つコートの真正面…




2階のスタンド席から




身を乗り出すのは・・・









『りょおきぃ・・・っ!!!!!』











アイル……。








すみっこに……いたはず


いつのまに…。




こんなデカイ

こんなトコまで届く声…

お前から

聞いたからことねーぜ?





『フゥ~~…』


デカイため息…

いや、深呼吸をする




なにやってんだオレ…。



今は……〃今〃だ

あの時とは…ちがう。





目を凝らすようにアイルをみる


あーぁ・・・泣きそうなカオしてるぜ


オイオイ…身ぃ乗り出して
あぶねーじゃねぇか


なに…やってんだよオレ



何…させてんだってのオレ




『リョウキ…』


トン…

先輩がオレの肩を叩く

もう…あとがない

選手交代?

いやいや…カンベンして下さい先輩…



『…絶対…おとしませんから…』


首を横に振りながら言い

大きく右手を上げて
トスを要求する



『よしっ!リョーキ!…』


…上がる…。



『リョウキっ!!!』


……アイルの声がする



みえる……。



脚…震えんなよ・・・くそっ…




『リョウキっ!!!』





見えた・・・ここだ…




『がんばれぇ・・っっっ!!!』




……いける!




しっかりコースがみえる…



もらった……!!!




ワッと歓声があがる



『っっしゃぁ!!!』


…吠えちまった。


そして、ようやく視界がくっきりとする


『起きたかリョーキ!
寝ぼけてんじゃねーぞ!ハハハ!』


先輩とハイタッチする

あと…1点。

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