テキストサイズ

Best name

第30章 それぞれの、生きる場所…

『それじゃ、いってくる』

『うん、いってらっしゃい』


試合当日


アイルに見送られて家を出る。





いつも通りの

至ってフツーなアイルだけど…。




『・・・』

『?…。どしたの?…忘れ物でもした?』




キョトンとするアイル。








『ぃ…いってらっしゃいのチューとか

・・・ないのかよ?(笑)』







オレは…わかってたんだけどな。



昨夜、オレよりもソワソワと緊張して

中々寝付けなかったアイルが



〃いつも通り〃で

いようとしてくれてるってコト




なのにオレときたら…(笑)




『💧;・・・。気をつけて…』


アイルが赤くなって目を反らす。


『~~~♪』



『ねぇ…リョウキ、遅れちゃうってば…』



『アイルのせいだ(笑)』



何をやってんだか、オレは。


『そ…そういうのっ
す、スポーツマン精神に
欠けるっていうか…っ』



『ぷっ…』


すぽーつまんせいしん・・・って(笑)




『ぃ…いつも通りで…いいじゃないっ』





『あ~・・・
コンディションが~…下がるぜ~…』




『~~~。…もぉ』


アイルが呆れて渋々、唇を近づける。





『~♪(笑)よし!コンディション完璧だ』



『…いつも通りでね』





『あぁ』




『リョウキらしく』




『うん』




『ケガに気をつけて…楽しんできて』




『うん…』



〃頑張ってー!〃

とか

〃絶対勝ってねー!〃



とか…言わねーのな(笑)





この辺アイルらしい。


『後で……行くから』


モジモジモジ……それは定番なのな?(笑)


『アイルも、気をつけて来いよ?』

『うん。ソウタさんたちと行くから平気。
~二人とも喜んでた』


『マジか。ふふっ
無様な試合には出来ねーな!
~いってくる』



『ふふっ、いってらっしゃい』



先輩の所に行ってから
本格的な試合らしい試合は初めてだ。

ソウタさんにマナさん…
二人に会うのもかなり久々だ。




まぁ、試合といっても
双方とも練習試合に変わりはない。

ホームもアウェーもないし

観客といっても

身内とか……そこらへん




なんて









思っていたんだが・・・・・・

ストーリーメニュー

TOPTOPへ