テキストサイズ

Best name

第30章 それぞれの、生きる場所…

風呂から出ると

キッチンのテーブルにPC・・・・そして

何やらごちゃごちゃと・・・


何やってんだアイル?
そっちも持ち帰りの仕事?


広げられた紙は……



……?




……オレの書類。



そして…



『え・・・?』



下書き用にと持ってた始末書が

文字で埋め尽くされている

しかも・・・

『……』




『リョウキ…。~あっ…』

アイルが戻ってきた

プリンター使うって言ってたっけ?
何か持って…


『アイル…これ』

『ごっ…ごめんっ、勝手に…見ちゃって』



『……お前』


『ごめんなさい…っ

あ…遊びじゃないんだからって
ハナシだよね

仕事を……何だと…』


『いや…そうじゃなくて。これ…
アイルが書いたんだよな?』

『……少しでも手伝えれば
リョウキがその分、早く休めるかなって
ごめん……また勝手なことして』


アイルがしょんぼりして
オレの手から用紙を取ろうとする


ひょい・・・と


高く上げて、改めて目を通す。


〃……。〃


『コーヒー…すぐ煎れるね』

『……いや、いい』



『……ごめん。私』

『……そうじゃなくて』



〃手伝う〃どころか……



十分・・・
十二分すぎるくらいの出来栄えで
始末書は…出来上がっていた


テーブルに広げた報告書やミスの概要


アイル
これを見て書き上げたっていうのか?



『アイル、お前…よくこんなの書けたな?』

『ぇ……』



『……メチャ助かる 』

『ぇ……でも、それ』



『ふふっ、このまま使わせてもらう♪
~いいだろ?その為に作ってくれたんだろ?』

『~~…』


『~にしてもアイル、なんでまた…』


『…これ以上・・・時間

眠る時間まで削ったら

リョウキが倒れちゃう』



アイルは…いつだって
こうオレをみていて

そして思わぬ所で
隠れたその能力を発揮させる…。


『おかげでそれは回避できそうだぜ?♪』


『…。嬉しいけど…手直しとかしてね?
ソレ・・・何かあると』


『~いらない。十分だ』

『でも、筆跡…』


『あ~…じゃ朝起きてPCに打ち込む』

『……それなら、やっておいた』



ぺろん・・・と

アイルが先程
プリントアウトしてきたらしきものを
オレの前に差し出す

ぬかりないな?…コイツ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ