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第30章 それぞれの、生きる場所…

アイルは本当に
単に…少し人見知りするのと
どうしようもなく口下手なだけで


接し方が良くわからないだけで

実際は

子どもが苦手なワケではないのだろうな…。


オレはそう思う。


アイルは
人のキモチの…


弱い者の・・・痛みのよくわかる
やさしい子だから。




『ゎ……私も…つい最近まで
そんなだったかなぁ~って…

て、それもモンダイだよね。
こ…子どもと、おんなじじゃ・・・』




『ふふっ…』




オレは思う。


アイルは・・・アイルにだけは


いつまでも
子どもとおんなじってくらい


真っ直ぐで
素直なままでいてほしい。


アイルらしく
アイルの生きるべき場所で……。






『子どもとおんなじじゃ~なぁ♪?
妹にも見られちまうワケだなぁ~!(笑)
(人のせい)』






オレ・・・根に持ってんなぁ~(笑)



アイルの頭に
手をのせてワシワシと撫でる。



『~ぅっ…。

め…迷惑かけておいて、なんだけど

…今日・・・来てよかった……』




〃…?〃


『ふふ・・・っ
顔面レシーブくらってか?(笑)』



『ぃ…痛かったけど…それでも良かった』




『プッ…ハナヂだしといて、何を言うか』





『それでも・・・よかった。

か…かっこよかったから・・・』



……。




やめろよ…。



真顔で・・・・・・赤くなって。





『あれは・・・やっぱり

リョウキだからできること……って思う』









オレまで…赤面すんだろーが…。



この女……マジで・・・






『かっこよかったよ……。

ナ……ナイス・・・コーチ…』








マジで・・・反則…。








アイルがテレながら
ぽんっとオレの手にタッチをする。



試合のポイントが決まった時の
リアクションを真似たのだろうか。




上目遣いで

テレくさそうに・・・ニコッと笑う。








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