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Best name

第30章 それぞれの、生きる場所…

〃うそだろ~~~?〃




鼻を押さえてうずくまるアイル……。




ってか・・・よけろよな~~?!




フリーズして動けず


真正面でナイスレシーブ(?)



って…オイオイオイ~~!!!







駆け寄りたい……ところだが

状況的に何かとそうもいかない。



オレ……動揺する



よろけたアイルが立とうとしてる。



「大丈夫ですかっ!?」



スタッフが一人
アイルの元へ走ってくれた


よかった……。




『す……ずびばぜん・・・』




チラチラ横目で見ながら

練習を続けるが……気になって





・・・と言うよりも




その前に……。





「ねぇねぇ、あれ誰?」

「誰かのママ~?」

「えー…おねえちゃんじゃないの~?」

「でも知らな~い」






ザワザワ……




子どもたちが騒ぎ出してしまった。






オイオイ……こりゃマズイ。






『ほ、ホラ……みんな~~!
ハイ、おしゃべりやめ~!
練習続けるぞぉ~~!?』





パンパンと手を叩いて
視線をオレに集中させる。



「すいませーん!
ボールとってくださぁい」




『…ぅ……え?』


生徒の一人がアイルを呼び止める。




『ぇ……と。

はぃ……いくよぉ~~?・・・』




アイルのたよりない声に伴って

たよりないボールが

……どっかにとんでいく。







「ぷっ…へったくそ~~!」

「どこなげてんだよ~~!」

「おねぇさ~ん!こっちだよこっち~!」




アイルが顔を赤くして
すっとんだボールを拾いに走って
直接コートの中に渡しにきた。




『は…はい。ごめんね・・・』



『……ありがと。

おねぇさん、通るなら
あっち側、歩いた方がいいよ

あっちならあんまりボール行かないから』




『えっ・・・うん。ありがと』



アイルからボールを受け取って
声をかけていたのは

小学5年の〃シュン〃

最近メキメキ伸びてる子の一人だ



中々の頑張り屋で…そして

仲間思いで、やさしい子だ。




アイルは即座にその場を去ろうとする


もちろんオレと目を合わせずに…。




だが……


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