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Best name

第30章 それぞれの、生きる場所…

聞き流せばいいものを…オレは


会ったことも、顔を見たこともない
その女の子の話に…
オレはひどく胸がしめつけられる思いがした


様々な後遺症に苦しむアイルを
見てきたこともあるかも知れない


だけど、ひとつ言える


男の身勝手な出来心

弾みで出た言葉や行動で

女を傷つけることは


そんな風に女を泣かせることは大罪だ


…大きな大きな罪だ




オレは…その彼女の幸せを

願ってやまなかった








「タキガワさ~ん…タキガワさんて
男前っすね~… 中身も…」


『…~』


〃~ヘイヘイ…

キモチが楽になったようで何よりだぜ〃




「ぶっちゃけですけど~オレ…もっと
チャランポランな人だと思ってましたもん~」


『オイ;・・・』



「仕事も出来るし?女にはモテるし?
マジ反則っつぅ~か…」


『あのなぁ; オマエ。…~人を
ミテクレで判断すんなってこったろ、ケッ…』



「ハハっ…!
でも、変わりましたよね~?…なんて(笑)
いつからそんな?ってカンジっすよ」



〃変わりましたよね〃・・・か



〃変わったね?〃

〃変わったよね〃



…なんて

思えば、最近

言われるコトも少なくない



『ふ……さぁな?』


「ハハっ…またソレっすか~!
ハァ~…オレもそんな風だったら
・・・マジ反則ッス」



『…伝わるよ。彼女に……必ず。大丈夫だ』

「……タキガワさん」



『ちゃんとやり直せ?彼女と…』

「…うぃッス」



『泣きべそかいて
仕事に身が入らねぇようじゃ困るしな?(笑)
…ん、ホレ・・・飲め?』


「うぃッス(笑)あざっス!
~~でもやっぱタキガワさん
変わりましたよ~!ゼッタイ~」




〃(笑)…〃


『~さぁ、知らねぇし、関係ねえけど…。

まぁ、人なんていつどこで

変化(なに)があるか…わかんね~からな…』








オレが〃変わった〃…〃変われた〃

そう言うならば

それは本当に偶然…キセキであり



偶然…たまたま

〃たった一人の女性(ひと)〃に

出逢えた〃運命〃があったからだと思う。











オレだって
こんな自分を想像したことなかった


今となっては、こんなオレも

時には
後輩と、その彼女の幸せを願う

そんなオレも…いたりする

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