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第29章 星屑の幸せ

『~いや・・・。
いっそのこと産婦人科に転向して!?

妹チャンがいつ赤ちゃんを産んでも
いいようにだな♪リョウキっ!』


『一生やってろ・・・一人でな。
まかり間違っても
テメーの所にだけは行かねぇから』


『~♪(笑)』






『…車できたの?どこ停めた?』

『~そこのパーキング、じゃぁ行くぜ~』



ケイゴが車のキーを手にして
オレに背を向けた

〃・・・〃













『兄貴…っ・・・ありがとなっ…』







『?…~・・・』

ケイゴが少し驚いて振り向く


『~…いや・・・
アイル診てくれて…サンキューな』


『クス…彼女に宜しく伝えてくれ
じゃ・・・またな♪』



兄貴に…こんな事
言う日が来るとはな

そして
大人になってから兄貴と

こんな話したことも
初めてだったかも知れない

アイルが…繋いでくれた
〃なにか〃がここにあった
そんな気がした










『アイル…今日は、ごめん』


ケイゴを見送ったオレは
アイルに平謝り


『ちょっと?
リョウキ…やめてよ…ぉ
どうして謝ったりするの?…顔あげて?
ねぇ…もう、やめて?』


『~~あんな兄貴で
全く恥ずかしい限りだ
本当にすまない…』



『ふふっ、そうかな?
とても…良いお兄さんにみえたけどな…』


『…アイル・・・正気か?』


〃社交辞令とか…言う子だったっけ?〃

思わずアイルのオデコに手を当てる


『ふふふっ…べつに…そう思っただけ
リョウキが甘えられる良いお兄さん…
うらやましいな』


『ぉ…お前も
立派な兄貴がいんだろ!
あんなのと違ってよ…』



『んふふ。それにしても
ホントにソックリで驚いちゃった
見た目も〃中身〃も…色んなイミで』



『ソレ…けっこー落ち込むんだけど…?
って〃中身〃はないだろ!!?』


〃かなりショックだぞソレ!?〃



『~♪でも電話口で
〃リョウキのフリ〃されたら
私自信ないかも(笑)』



『……インターホン
ぶっ壊しとく…二度と御免だ』



『ふふふ…っ
でも本当に私は嬉しかったよ
リョウキのご家族に…初めて会ったから
ありがと…』


『…』

〃なんてやつ…〃


神様・仏様・・・女神様・アイル様だ

一点の曇りもないアイルの笑顔に

一日の疲労が浄化されていくようだった

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