テキストサイズ

Best name

第29章 星屑の幸せ

アイルがチラリとオレを見る

・・・グラスをかざして



『…リョウキ
コレ・・・もしかして
リョウキが選んでくれたの?…』



『ん・・・?~…
あー料理に合いそうな
飲みやすいのをって言っただけ』



口当たり良くて
アルコール度数の低いやつをってな(笑)



バレると……恥ずかしいじゃねーかよ…(笑)



先ほどオレをチラ見したウェイトレスに
一人でツッコミを入れた。




『ふふっ…おいしい。ありがと』




『~~ 一応・・・

〃ジュース〃じゃねぇんだぞ…っ?

飲みすぎんなよ?』




オレのがテレてしまって…
顔がほんのり赤く染まったアイルから
グラスをとってオレの方に引っ込める。



滅多に見られない酔ったアイル。


キャンドルの灯りで色気を増して見える。




『お料理すごくおいしい…オナカいっぱい』




満足そうなアイルがニッコリ笑う。




『うまかったな。
あ…でも、デザートあるぜ?』



『え?♪うれしい~』



『(笑)』



最後に
クリスマスケーキのプレートが
運ばれてきた。



お皿の中心の小さなケーキに
まわりはサンタやトナカイの飾りで
キレイにデコレーションされている。





『・・・かぁわいい~…。

たべちゃうの・・・もったいない』




ポツリとアイルが
控え目に呟いたかと思うと…
スマホを取り出して



パシャリ・・・



写真をとっていた。



珍しい(笑)




ハッとしたように
アイルがウェイトレスの視線を気にする。




『ご・・・ごめんなさい…っ

行儀わるくて・・・』




下を向いて
慌ててスマホをしまおうとしたアイルに
ウェイトレスが笑いかける




「良かったらお二人で
お撮りしましょうか?」



『で…でも・・・』



まわりのお客を
チラリと気にするアイルから

そっとスマホを受けとると
ウェイトレスは

さりげなく写真をとってくれた。



「ごゆっくりどうぞ」




そして何事もなかったのように去る。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ