無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

『カイト？…お仕事
向こうでもするんでしょ？…頑張ってね』


『ん？おぉ、せやな。まかしときぃ』




『ぁ…でも、あと一週間くらい？…よろしく』

『おぅ！』



カイトが…
必死にアイルにウソをついているのが
痛々しかった


心を・・・痛めているはずだ




一週間か…あっという間だろうな


少しでも充実してほしい…〃兄妹〃で





パーティーはなんだかんだで
大盛り上がりの後にお開きになった


別れ際にカイトに耳打ちする


『カイト…？来週…もう一回くらい
メシでも食いに行こうぜ？３人で』


『ん？あぁ…かまへんけど
ほんな気ぃ遣わんでや？』


『そんなんじゃねーからさ』




チラリと
帰り支度をするアイルに目をやる

『カイト、じゃぁ…また月曜日にね？』



『･･････』

『……カイト？』





『ぁ…。おぉ！またなっ・・・』


『…？』


カイトがアイルの頭をワシワシと撫でて
オレたちに手を振った






アイルと二人
オレの家に帰って一休みする

賑やかな後の少しの寂しさと

二人きりになった
のんびりホッとする感じとが
入り交じる

リビングでアイルが
バッグをｺﾞｿｺﾞｿとあけている


『……ぁ』

『？アイル…どした？』

『ううん…べつに』


…と言いつつも
どこかに電話し出すアイル


しばらく・・・沈黙



『……出ないや』

『忘れもんでもした？…』

『うん…。カイト…つながらない』



そう言ってアイルは再び電話をかける

ソウタさんにかけてるようだ


『ぁ…ソウタさん
仕事って言ってたっけ』


〃かからない〃ようだが…
それもそのはず

オレに、ソウタさんから・・・着信



『アイル…ちょっとごめん』

『？』

『ソウタさんから…。…～もしもし？』

アイルに告げて電話にでる









『……えっ？…いや
そんなっ！ソウタさん！
ちょっと待って下さいよっ…？！』






オレの、物々しい剣幕に

アイルはビクリとして

オレの方を振り返る




『…アイル』


電話を切って、すぐにアイルを呼ぶ


『……？』


『すぐ…支度して。…いくぞ』


『？…な…に…。……どこに…』













『……っ空港！！』






〃あの……バカっ…〃