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第27章 嫉妬

幼い頃から
ずっと病気と闘い続けて

その度に絶望して
体はボロボロ…

疲れてしまった…と言うような
カイトの言葉は

とてつもなく
いたたまれなかった


『それでも・・・
まだやれる事あんのに…諦めんなよ?

メチャクチャ…
一番カッコわりぃぜそういうの?

オレさっきまで…お前のコト
それこそ嫉妬するくらい
カッコイイヤツって思ったのによ

例え…1%でも
望みがあるなら・・・』



少し…テレくさい

けど本音だった


アイルを想う…
捨て身でアイルを守ろうとする姿


そして…カイトにとって

ただの綺麗事でしかないかも知れないけど

オレは…



『ハハ・・・それこそ

お前に何がわかんねん・・・』




カイトが力なく笑って下を向く

皮肉を言うカイトも…初めてだ



『誰もが…生まれながらに健康で
元気に生きとるのが当たり前やない…。

リョウキ・・・お前みたいに
バリバリ…スポーツしとったタイプの人間に
まずわからん

生まれながらに
ポンコツな人間の気持ちなんか
わかれへん・・・』



『スポーツ・・・ね
…そういう意味じゃオレは
ポンコツだけどな…』


『うん?』


『いや…こっちのハナシ

お前の言うように
オレにはわかんねぇよ…きっと

だけどオレは…お前に諦めてほしくない』



『なんや…ハハッ…熱うなって』


『お前・・・死ぬなよ?』


『~哀れみとか
そういうの御免やし…~

ハハ・・・誰でもいずれ死ぬ。
遅いか早いかだけやって…』



『勘違いするな。
哀れみでも同情でもなければ
お前のためでもない

アイルから・・・

アイルから
〃家族〃を奪ってほしくない

お前が
アイルの大切に思っている家族で…

アイルの大好きな〃兄貴〃だからだ

お前がアイツを思うのと同じように
オレだって・・・
お前がアイツを悲しませる事は許さない

希望があるなら尚更だ
諦めるなんて・・・許さない』



『リョウキ・・・』




『生きろ・・・。

必ず治って

またアイルの前に現れろ

死んでも・・・死ぬな

死んだら・・・・・・ブッ殺す』







『・・・日本語メチャクチャやし(笑)』




『うるせぇよ・・・(笑)』


カイトは…〃yes〃とは言ってくれなかった

それでもつい…お互い笑い合う

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