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『・・・リョウキ』


アイルがチェーンロックをかけたドアから
ﾁﾗﾘと顔を出し

オレを見ると
慌ててロックを外した



部屋着姿で
首には・・・ストールを巻いて




そのワケは…察しがつく

オレのせいだろうから





だけど少し疑問にも・・・



…家の中でまで

そうせずとも良いのでは…？



一人で…いるんだし？




それとも寒いのか？



と言っても
少し引っかかるくらいで
大して考えずにアイルを見る



『おぅ・・・』



『・・・どしたの？
明日、会う約束･･･
ん？・・・お酒のんでるの？』



『あぁ、軽くな。
～近くだから寄っちまっただけ

…て言うかお前・・・こんな時間に
やたらにドア開けんなよな？(笑)』



『う…うん。…』




良かった･･･

思うほど気まずくはない





…なんて思う前に




なんか・・・ヘンだ



アイルが半開きのドアを
中々開けようとしない


…会いたくなかったのか、やっぱり？



なんて…思うオレの耳に
アイルの後ろから・・・足音



〃・・・？〃






『お…リョウキ…。～すまんすまん…』


姿を現したのはカイトだった



無意識、無条件に
オレは…ゾワっとした焦燥感にかられた





〃ナンデ…？〃



なんでアイルの部屋に二人でいる？

何が・・・「スマン」なのだ？



表情をなくしていくオレに気付くアイルが
落ち着きがない顔になる


目線が定まらず
キョロキョロとしていた



わずか

ほんの一瞬のことだがシーンとする



『え･･･』

〃何か…言わねぇと〃










『ちがうの・・・リョウキ…』







先に言葉を発したのは

アイル



『？…』

〃チガウ？〃

何…言うんだアイルのやつ
オレは…何も






『マナさんと別れた後
たまたま会って
それでねっ・・・それで…』




瞬時に…

オレの腹の奥から
モヤモヤと何かが込み上げて
一瞬でイライラがあふれてきた




…何だよ？

まるで・・・〃弁解〃




いつも

いつでも何にでも

言い訳なんてしたことないくせに

何を…そんなに必死になってんだ？




余計に…腹が立つ


オレは深いため息をついた




・・・正直・・・ワザと。