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ようやく目を開けたアイルは
凍り付くような顔をしていた

〃あ・・・〃

オレも我に帰る



マズイ…。

そんなこと…思ってもなければ
言うつもりも

だけど
言ったものは…戻せない

時すでに遅し





『・・・ひどい』


目を見開いたアイルが

ズルリと
オレからはなれて後ろに下がる

今にも…泣きそうな顔で


『いや・・・今のは…』


ほんのジョーダンです…

なんて言うことでもなければ
言ったところで何にもならない




『ひどい…ひどいよ…っ
うそでも…ひどいよリョウキっ…

他の人…？・・・って…？
私…他の人なんて

私･･･私・・・他の誰とも…。

私は・・・リョウキしか知らなくていい
リョウキしか知りたくない…っ

リョウキじゃなきゃ・・・
なのにどうして
そんなこと言うのっ…？』




何も答えられないオレに向けて
アイルの言葉が次々に突き刺さる


『〃あの時〃…言ったじゃない…。

リョウキは・・・忘れちゃったの…っ？

…こんなの…あんまりだよ

こんなの・・・ひどいよぉ…っ』







『アイル…ちが・・・オレ

って・・・おい？！』



アイルがベッドを降りて
おもむろに服を着はじめる

部屋を出ようとするアイルの手を
無条件に掴んで止めた


『どこ…っ、行くんだよ？！』

『…帰る。…はなして』


『何時だと思ってんだよ！ここにいろ！』


〃こんな時間に一人
外に出せるワケがないだろ…？！〃


焦りに焦ってオレは
必死にアイルを止めるが


『いやっ…、はなしてっ…！』



一切オレの方を見ないアイル

目からは…とめどなく溢れる涙


こんな時アイルは
人の言うことなど聞かない


『…たのむからっ…聞け！ここにいろ！
オレが出てく！～アイルっ
こっちにっ・・・来いって！』


アイルを引き戻し
無理矢理ベッドに押し倒して
オレは足早にドアに向かう


『リョウキの家でしょっ
なんでリョウキがっ…リョウキっ……！』


アイルを無視して
部屋の照明を真っ暗にして
一方的にドアを閉める

そのまま外へ出て
近所のファミレスで時間を潰した


何を…やっているんだろう…本当に


オレは…何にそんなにイラついて

何に焦っている？


狂ってしまったのかオレは…？

何に…

怯えているんだ・・・？