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第22章 償い

『もう一度だけ言うぞ?

…オレに対する恨み言は
いくらでも言え

どんなに汚く罵ろうが、なんだろうが
オレに対してなら何とでも言え…

どうにでもしろ?
お前の勝手だ。好きにしろ

でも・・・アイルにはダメだ。

アイルだけは…

アイツのことを
お前なんかに語らせない

侮辱することも
罵ることも許さない…

絶対に…だ・・・』




レナの顔を押さえつけて
真っ向から言い


払い除けるように
レナの頬からパッと手を離す





『~~…っ』


ワインまみれの顔で下を向くレナ

オレはポケットからハンカチをだして
化粧の崩れたレナの顔にあてて
立ち上がる

『~…っ!あの子のとこに行くのっ!?』

『……』


『ふ~…ん…
これで丸くおさまって

自分達は幸せってオチね…
良かったね……オメデトっ!…』


『安心しろよ レナ?
…最後のケジメに行くだけだ
彼女は…二度とオレを受け入れない』


アイルが受け入れられるはずがないんだ

こんなことがあろうがなかろうが
事実だろうが嘘だろうが…

オレの本当の姿を知った今
アイルはオレを受け入れない

『…~…』

『レナ…』


『?…』

テーブルにあったタオルを手に
レナの顔にまだ残るワインを拭き取りながら
オレはレナに向き合ってまっすぐと目をみた


『レナ…お前を
お前の心をひどく傷つけた事…
申し訳なく思っている…

悔やんでも戻せない
もちろん
許してもらえるとも思っていない…

すまなかった』


『……』

レナが少し…力ない顔でオレを見る
化粧をボロボロに崩した顔でオレを見上げる



『フッ…なんだよ?
らしくない顔だな、レナ?…』


『人って…変わる時は…
変われるモンなのかもね…ホントに
…なんて

そっちこそ…そんな顔して
…そんな…マジなカオ…』


『?』


『両成敗ってことで…、いいんじゃん?
リョーキのショゲたカオみれたし…
もう…いい。あの子と…戻れば?…』



『ハハっ…〃両成敗〃?

お前の口から
そんな言葉がでるとはな…
お前も変わったのか?…ハハ

戻らない・・・戻れないよ
彼女は・・・そういう子だ』



『…?でも、二人とも…』


『誰よりも まっすぐで…
ウソが大きらいで

心やさしくて…芯の強い
ブレない人なんだ

自分の決めた事は曲げない』

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