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第16章 未来へ

『?…。クス…へんなリョウキ
~誰だってそういう時あるよ
変な心配しないで休んで?』


洗濯機やら掃除機の音がする
少し遠くぼんやりとそれを聞きながら
しばらくウトウトする


『リョウキ?…
何度も起こしちゃってごめんね
ごはんにしよう?』


『~~ワルイ。マジで食欲ない…』




『~ダメだって…何か少しでも食べないと
薬飲まなきゃだし。…どれでも良いから…』


『……?』


『くだもののゼリーは?…
口当たりいいものなら少しは…
それから・・・』


アイルが持ってきたおぼんには

小皿に入ったものが…
たくさんたくさん…

何種類ものっている

ごく少量のものが…たくさん
これ…全部用意したのか…?オレのために


『~……』
『じゃぁリョウキ、コレは?』


『…茶碗蒸し…?』

『うん。冷ましてあるし
食べやすいかなって…
栄養も取りやすいと…思うよ?』

小鉢に入った黄色い茶碗蒸し…
表面はキレイな彩りで
繊細な出汁の…イイ匂いがする

『…それも…作ってくれたのか?…』

『…?。うん。…食べてみる?』


『…うん』

アイルがオレの枕の下にクッションを入れて
起こしてくれた…

『…自分で 食うって…~~』

『んふふっ…
なんかいつもと逆だねリョウキ
近く来るな~、とか
はい・・・あーん』

『~~…』

〃すっげぇハズカシイ…けど…なんか…〃


『どうかな…。食べれそう?』

『~…味わかんねぇ。すまん…すげぇ
うまそうなニオイはわかるんだけど…とり肉?』

『うん。ササミ。元気が出るよ
…も少し食べてみよう?』

『うん…』

やわらかい食感…
細かく刻んだ野菜や沢山の具が入ってる
手の込んだ…あったかい料理
味はわからなかったけど
それだけはわかった

『~も…いい。味わかんねぇし、もったいない』

『ふふっ…何それ。でも大分たべれたね
よかった。また作るから
そしたら味わって食べて』

『うん…
でもさ…何でもできんのなアイル…
どーやって作ったの?』

『え?…あぁ、うんと…蒸し器はなかったから
…お鍋とザルで…蒸して…』


『…フフ…なんかお前、原始人みてーだな…』

『どういうイミよっ それ…!…もぉ
ホラ…薬飲んで?』

『ホメてんだって…(笑)』


でもそれは本当で…
オレはボンヤリする頭で考えていた

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