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第13章 あたたかい風

そうしてる間にも
店側のドアは開いては閉まり

また開いて…女の人が一人入ってくる



「マナちゃ~ん!!!コレコレおみやげ!
アイちゃんに持ってってくれる?
退院したって聞いたんだけどさ!?」





『ヨシイさん!こんにちは~…って

あたしのは~?!』





「ちゃぁんとあるって~(笑)ホラ!」





『わーい!…~アイね?

うん、明日から来ますよ』





「え"っ!?それホント!?

よかったー!!!

じゃみんなに言っとくね!またねっ!」







こんな顧客の出入りを…


さっきから頻繁に見ている






マナさんがオレの持つ段ボールの中に

でんっと

たった今受け取ったものを入れてきた




『はいっ、コレ・・・!(笑)

…増えちゃった…へへ・・・宜しくね♪』





『…はい』





オレは自然と表情がやわらいで

ソウタさんとマナさんに挨拶して店を出た










世間の風は・・・どう吹くかわからない







だけど、ここには…






アイルが生きてく


この場所に吹くであろう風は






きっと…いつも

あたたかくて

やさしい風だと

オレは思う









今感じた風を


必ずアイルに伝えてやりたいと思う

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