
Kissからはじめよう SO & AN
第41章 楽園14 雅紀
14-4
黒のPコートを着た和くんが、寒そうに肩をすくめて歩いて来る
「和くん!」
俺に気付くとギョッとして一瞬立ち止まり、また足早に歩きだした
「おかえり、ね、今日これから俺んとこ来ない?話があるんだ」
「行かない」
「何で?あの、俺ホントに話したいこと、ってゆーか謝りたいことがあって」
「行かないって言ってんだろ。」
「和くん・・・ねぇ、ちゃんと話しようよ。俺こんな風に喧嘩するの嫌なんだ」
「俺は喧嘩してるつもりは無い。お前とはもう会わない、って言ったろ」
「そんなこと言って・・・。でも、俺は引きさがらないからね、和くんのことを幸せにするって約束したんだから」
「はぁ?誰とだよ?」
「丸山くんだよ」
その名前を告げると、和くんの目が大きく見開かれて、そのままフリーズする
「何で・・・」
俺はすかさず、和くんの腕をがしっと掴み、うちの方向へと引っ張る
「ほら、気になるでしょ?ちゃんと話すから一緒に帰ろ」
