
Kissからはじめよう SO & AN
第40章 楽園13 和也
そんなことない、って言っておけばよかった
好きな人なんていない、って
でも、丸の声があまりに暖かくて、真摯に響いて
ごまかすことなんて出来なかったんだ
恥ずかしさから逃げるように強い酒を飲む
いつの間にか、話題はさっきの「好きな人」のことになっていて
「幼馴染で・・・俺が一番近くに居たのに・・・」
「気づいたら他の人と・・・」
「まーくんが幸せなら それでいいと思わなくちゃいけないのに・・・」
「でも、時々、どうしようもなく辛くなるんだ・・・」
丸に聞かれるままに 溢れる想いが口から迸る
俺、相当酔ってるな
ヤバい・・・しっかりしないと・・・
そう思いながらも意識は深い所へ落ちて行く
