
ビタミン剤
第32章 ハダカの王様
Oside
「あっちぃぃー、やべ逆上せる…」
相葉ちゃんにすれば、
ぬるめにしてくれてるんだろうけど
それでも俺にとっては熱めの湯
それでもなんとか、五分間くらいは辛抱して
みたけど、やっぱ限界だわ…
風呂上がりは
身体の火照りがおさまるまでは
パンツもシャツもズボンもなぁーんも
履かないってのがおいらのスタイルだった。
※ ※ ※
『おっ、大ちゃんっ、なんでまっ裸なの?!
だっ、ダメッダメッ
ちゃんとなんか着てよ、下着だけでも!』
『もしかして相葉ちゃん見えてねえの?
ちゃんと着てるよ?
賢いヤツにしか見えねぇ服着てんだ』
『はああ?う、うん、見える……
んな訳ないでしょ! そんなウソばっか!
ハダカの王様じゃないんだからね!!』
※ ※ ※
はじめて相葉ちゃんちに泊まった晩、
真っ赤になりながらパンツ投げ付けられて
言われセリフ。
それからは
相葉ちゃんのこの部屋ではパンツに
短パンかスウェットを履くようにしてる。
パンツを投げ付けてきたそのすぐ後に
俺の目の前で鼻血を出しちゃった相葉ちゃんがいたから。
タオルでしっかり髪の水分を飛ばして
ドライヤーは使わずに首にタオルを巻いたまま
香辛料のいい香りに誘われるように
リビングへ向かった。
