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ビタミン剤

第5章 夏まつり



「ねえショウ、
あたし、タコ焼き食べたいな。」


「うわ、めっちゃ並んでる。
俺並んで買うから、
りなちゃんあそこで待ってなよ。」


「うん、ありがと。
じゃあラムネ2つ買って待ってる。」


タコ焼きの露店から
少し離れたところにある
小さな公園のベンチで待ち合わせ。


やっべえ
30分くらいは待たせたかも。
急いでりなちゃんのところに
向かうと、
2人連れの男どもが、りなちゃんを
ナンパしてたりするから
おもいっきりガン飛ばして
文句言ってやった。


「おい、おのれら
ワシのかわいい嫁さんに
なに気安く声かけとんじゃあッ!」


「しっ失礼しましたッッ」


慌てて逃げる様を笑いながら見送って
りなちゃんにタコ焼きを手渡す。


「ウフフ、ショウが
あと少し遅かったら、あたし
着物の裾まくって怒鳴ってたかも。」


「えぇ!りなちゃん、ダメダメっっ
今夜は、俺のかわいいりなちゃん
なんだからね。
おてんばさんは禁止。」




「ショウ、さっきさぁ
何気に俺の嫁って言ったでしょう。」


「ムフフ、ばれた?
間違ってないもーん。
ほら、今夜はここでだって
チュウなんかもできちゃうもんね。」


「ん…ん…ぁん…翔…ぁ」



「りなちゃん、キス顔も可愛過ぎ。」


俺の台詞に照れたりなちゃんが
やり返しの攻撃でラムネを
おもいっきり振って
炭酸がしゅわしゅわ溢れ出るように
手渡してきたから
めっちゃ両手がべたべたしてしまった。


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