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ビタミン剤

第13章 ぼくのペット

Sside

早々に目覚めてリビングへいくと
クンクンと鼻を鳴らしてるワンコロがいてた。

エサを与えてやって適当に戯れ付かせながら身支度を整えていく。
ネクタイを片手に持って部屋の中を歩き回ってるとワンコロがそれに噛み付いてきやがってうれしそうに咥えて走り回って遊び始めやがった。


迎えの時間も迫ってきてる。


しっかり噛み付いて離さないから仕方なく別のネクタイを選んで出かけることにした。


「おい、それはお前にやるよ。
だから、賢くしてるんだぞ。潤の言うことも少しは聞いてやってくれよな。」


アンアンッアンアンッ


ワンコロにあげたネクタイは自分で買ったヤツ。
今、着けてるのは潤がプレゼントしてくれたイタリア製の上品なデザインのモノ。


マネージャーの車に乗り込んでから潤にメールを
送っておく。
イタリア製のネクタイを身につけた写メを添付してなるべく明るい文章を綴ってあげておいた。



目覚めた時の独りっきりの孤独
深酒して眠り込んでしまった後悔
それに追い討ちをかけるワンコロの存在

潤が落ち込む要素はたっぷり出揃った筈。


さてと、今夜届く荷物はなんだったっけ?


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