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キラキラ

第27章 かげろう ~バースト6~


kazu


真剣な目でローションを手のひらにたらし、指先に絡めるようになじませている相葉くんをじっと見つめる。

真っ裸で、 ベッドに向かい合って座ってる俺たち。

はたからみたら、なにやってんだ、お前ら、の世界だけど、俺らは大真面目だ。

ちょっと緊張してる相葉くんの思いがビシビシ伝わってきて、俺まで引きずられてる。


……違うな。
間違いなく、俺も緊張してるんだ。


トクトクなる心臓を感じながら、何度も小さく息を吐いた。

相葉くんが欲しいという思いがついに溢れて、誘っちゃったものの、久々のこの行為が、自分にどんな変化をもたらすのか想像がつかない。


相葉くんの鍛えられた胸板をみていたら、繋がる予定の場所が、ジン…とうずいた。

俺は、唇をかむ。


……かつて、智さんに抱いてもらってた時は、完全に全てを委ねていたから、自分がどうしていたか、どうなっていたか、あまり記憶がない。

気分的にどん底までおちているときに、することがほとんどだったし。

つまり、自分の存在を確かめるため、精神の安定をはかるために、しているような行為だったから、今からしようとしてることとは、まるで意味合いが違うのだ。


好きな相手を受け入れるって…どんななんだろう。
俺は、どういう風になっちゃうんだろう。


「…えっとさ…俺らがそゆことするときは、かずの後ろを……準備しないといけないらしいんだよね」


遠慮がちに切り出した相葉くん。


……分かってるよ。
いきなりやって流血騒ぎは、俺もごめんだ。


俺は、うん、と頷いて、そっと目の前のシーツに手をついた。

そして猫みたいによつん這いになり、相葉くんをゆるゆると振り返った。


「これでできる…?」


相葉くんは、ちょっと赤くなって、うん、と頷いた。


「……ゆっくりやろうね」



そう言って、相葉くんは俺の背中をそっと撫でた。
温かな手のひらに、ドキドキが少し静まってゆく。


「……うん 」


俺は、こっくり頷いた。


この格好もたいがい恥ずかしいが、顔を見られなくてすむのは、ありがたい。
万が一、俺がしんどい顔をしてしまったら、相葉くんは、その瞬間にやめてしまうだろうから。

あとは…どれだけ声を我慢できるか、かな。



「…触るね」

「ん…」


相葉くんの男らしい指が、ぬるり、と後ろに触れた。

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