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キラキラ

第8章 バースト

「で、あとは、翔のチカラな。…………もう見たから分かるだろ?」

「はい…………」

大野さんに言われて、俺は、さっきの一連の出来事を思い浮かべる

上級生を吹き飛ばし、ジャケットをかけてくれて、とどめに空へいざなってくれた…………翔の能力。

「翔は、あの通り念動力が使える。手を使わずに物を動かせるし、応用で、自分が飛べたりする。俺たちの中では一番派手な能力かもな」

視線を向けると、翔はちょっと笑って、手のひらを、ぎゅっとにぎったり開いたりしてみせた。

「でもさ。ひっさしぶりにたくさんチカラ使ったから、なんか手のひらがずっと熱くて、あんまり力入んない……」

「どれ」

大野さんが翔の右手を握る。

「…………本当だ(笑) 子供みたいな体温だな、おまえ」

「子供だよ」

翔が笑う。

笑うと大きな瞳が細められて、ますます童顔に拍車がかかって、なんだか可愛くみえて。

俺も、思わずクスリと笑った。

「あ、笑った」

翔がこちらを見て嬉しそうに言う。

「潤、ずーっと難しい顔してたけど、やっと笑ってくれたな。その顔の方が絶対男前だよ?」

…………どっかで聞いたセリフだな。

ふと、雅紀に目を向けると、そーだろ、そーだろとウンウン頷いてる。

うるせーよ。


「で、最初の翔の話に戻るけど。雅紀が潤のチカラでここに跳ばされただろ」

大野さんが雅紀を指差す。

「…………で、どうやらとても困っているらしいということが分かったから、かずが、雅紀の話の真偽を確認したうえで、俺にチカラをとばしてきたんだ。 雅紀の言う学校に、本当にピンチなやつがいるのか、視てくれって」

「そう。そんで、智兄が、潤をみつけて、再度コンタクトしてきたかずに伝えた。それをうけて、俺が出動したってわけだ」

翔が、なかなかすごいだろ?と首をかしげた。

俺は、はい…………と頷いた。

すげー連携プレー!




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