キラキラ
第36章 バースト10
潤は、驚いたように松岡さんを見て。
同じように浴衣のまま布団に座ってこちらをみてる智兄を見て。
ゆっくりとこちらに視線をもどし、傍らで私服姿で、苦笑いしている相葉くんを見て。
少し頬を染めたかずを見て。
…最後に俺を見上げた。
「…どうした?」
優しく聞いてやれば、潤はなにかを考えるように首をかしげて…視線をさげた。
そして、がばっと布団に潜り込んだ。
「あ、おい!」
慌ててその掛布団を剥ごうとしたけれど、潤はすごい力でくるまり、そこから顔を出そうとしない。
「おい!出かけるっていってんだろ!」
「やだ!絶対やだ!!」
布団の中から、悲鳴のような声で反抗する。
あーあ、というように相葉くんが、かずの隣にしゃがんで、その布団を見つめた。
「今のは…ねぇ」
「ね。やばいよね」
二人でうんうん、とわかりあってる。
そうして、じっと俺を見るもんだから、なんだよ、と後ずさった。
「あんな濃厚なやつを、こんなみんなが見てる前でやったらねぇ…」
「翔さんはいいかもしれないけど、潤くんは恥ずかしくて、そりゃこうなるよね」
口々に責められて、俺は口ごもる。
…いや、実は、俺もちょっとやりすぎたかな…と、反省するところもある。
ギャラリーが見てる前で、仲の良さをみせつけたかった本心も、…ちょこっとある。
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