
キラキラ
第36章 バースト10
ダメだ…眠ぃ…
完全に寝不足のぼんやりした頭で、ぐずぐずと枕にくっついてたら、松岡さんに再びせかされた。
「おーい、お日さんのぼっちまうぞ。早くしろよ」
「はい…」
マジか…
しぶしぶ、体をおこすと、向かいの布団で微動だにしない智兄が目に入った。
活動的な松岡さんとは対照的に、今だ浴衣のままで、ちんと座ってる。
時々、船をこぐ仕草に、まだ覚醒してないのが見てとれた。
……智兄も屍じゃん…
苦笑して、ふっと隣に目をやれば、潤は布団に頭まで潜り込んで、完全に冬眠中だ。
「潤くん」
かずが、一生懸命体をポンポンたたいて起こそうとしてるけど、ぴくりとも動かない。
俺が、手を伸ばして布団をめくってやると、潤は子供のように丸くなってすうすう眠っていた。
「ガチで起きないんだけど」
かずが困ったように俺を見上げるが、理由を知ってる俺は肩をすくめることしかできない。
潤は、俺と一緒で、ついさっき、寝たんだ。
しかも、チカラつかってるし。
なおかつ、体に負担のかかることしてたし。
とどめに…恐ろしく寝起きの悪い男だし。
まぁ…まずちょっとやそっとじゃ起きないだろうな。
「キスでもしたら飛び起きるかなぁ…」
結構本気で呟いたら、かずが驚いたように俺を見た。
