キラキラ
第35章 屋烏之愛
「……カズの素直な声が聞きたい」
そういって、さわさわと脇腹を優しく撫でられる。
「でも……」
嘘だよ、そんなの……
「でも?」
俺の言葉をおうむ返しにして、松本は俺の胸にチュッとまたキスをした。
そこからビリビリと甘い刺激が走り、俺は立てた足が弛緩してゆくのを感じる。
ゆっくりゆっくり開かされる体。
大切に扱ってくれてるのが分かる。
でも、どこかまだ理性が残ってる俺は、素直になりきれなくて……。
だって。オトコだもん。俺。
かわいくも泣けりゃ色っぽくもないし、胸もないし、お尻もない。
特に俺なんて、痩せっぽちのチビだし……
「声なんて……気持ち悪いでしょ……?」
口を押さえたまま、うかがうようにみあげたら、松本は、仕方ないな、という顔で苦笑してみせた。
「伝わらないなぁ……俺は、そんなカズがいいんだってば」
「……嫌いにならない?」
「なるわけない」
言って、松本の手が、中途半端にくつろげられた制服のズボンの前に触れる。
「……ひっ……」
俺の腰が浮いた。
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