
Perfect Romance
第21章 さよならは言わない
「…本当ですか?」
「嘘言って何になる?」
「ほら、ドッキリとか……変な札持って」
「俺は一般人だ」
ですよねー、とすっかり冷めたコーヒーを啜る
櫻井さんが何を言ってるかなんて
勿論分かってる
分かってるのに、頭が拒否してる
ただ、受け止められないんだ
櫻井さんから告げられた “報告“ を
“分かりました“ って承諾するのが怖いんだ
入社してからずっと櫻井さんと組ませて貰って仕事をしてきた
ただの先輩、後輩から段々と打ち解けて
いつからかプライベートでも付き合いが始まって
大野さんや相葉さんと4人で何かをする事も当たり前になって
櫻井さん達と過ごすのが自然になって
…それはずっと続くものだと思い込んでいた
「…本当なんですか」
また、同じ事を聞いてしまう
「だから本当だって何度も言ってるだろ」
「だって…いくら何でも急すぎ…」
平然と言ってのける櫻井さんに、ちょっとイラッとしたけど
…そこは、隠しておいた
