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Perfect Romance

第21章 さよならは言わない



青天の霹靂

言葉も意味も良く知ってるけど

普通に生活してたら頭に浮かぶ事はそうそうないだろうと思ってた




「おい、二宮…おーい?」
櫻井さんが目の前で手をヒラヒラさせている

「聞いてる?」
顔を覗きこむ

「へ、あ、はい」

「だからさ、来月から俺いなくなるから」
櫻井さんの声が遠くに聞こえていた

だってね

ー…俺の抜けた後、二宮と組むのが~、とか
ー…取引先の挨拶には同行しろよ、とか


意味の分からない事を次々に話すから
俺の思考回路は一時的にストップしていたんだ


「…って事だからさ…、おい、二宮?」

さっきから、同じ事を繰り返している気がする
だけど仕方ないじゃん
……本当に分からないんだもん


「ひぇっ!」
いきなり頬に、冷たいものが押し当てられ
俺は思わず変な声を上げてしまって

それが氷の入ったグラスだと気付いて
その飛び上がる程の冷たさに、…やっと俺の脳みその回線が繋がってくれた

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