
Perfect Romance
第13章 アブナイ夏休み
「なに、その顔…」
「へ?なに?」
自分では分からないけど
きっと妄想が顔に出たんだろう
空いてる手で頬を触って…ごまかした
「なに?かず、何かついてる?」
「…いや、いい」
かずは苦虫を潰したような顔をしてた
車に戻って
今度こそ旅館に向かう
ドライブインから、旅館までは約1時間
何でだか始まったしりとりでやたらと盛り上がって
笑い疲れた時にはもう
旅館の駐車場に辿り着いていた
「いい所だねぇ~っ」
またも、かずと大ちゃんが二人で窓を開けた
すぐにおかみさんが見えて
今回の事を詫びた
翔ちゃんは営業スマイルで「気にしないでください」なんて言ってる
それはもう、うっとりする笑顔
そりゃそうだ
だって
むしろそれで今回
…楽しみが出来たんだから
おかみさんが引き上げるのを確認してから
4人でテーブルを囲んでお茶を飲む
「いいねぇ…この「和」の雰囲気」
大ちゃんが座卓に寄りかかってぐーっと腕を伸ばした。
「どう?二宮」
翔ちゃんがかずにお菓子を渡す
「いい所ですねぇ」
かずがそれを受け取りながら
にっこりと笑った
