
Perfect Romance
第8章 幸せのカタチ
「だって…時間読めないなら無理でしょ」
『俺の家で待っててよ!終わったら急いで帰るから』
「でも…」
『俺だって、にのに会いたいの!』
ー…だから、待ってて?
これだけで
さっきの沈みかけた気持ちが
嘘みたいに浮上する
「…でも、鍵は?」
『明日、課長がそっち行くから預ける』
こらこらこら
上司を使うな
「ちょっと…何言ってんのよ」
『大丈夫!渡し損ねた重要書類だって言っとくから』
「そう言う事じゃなくて…」
『いいから!にのは俺に任せて!』
何度か押し問答をしたけど
結局は相葉さんに押しきられ
俺には
頷くしか選択肢はなかった
とは言え
相葉さんがそうまでして会いたいと言ってくれるのは
…やっぱり嬉しくて
「…ごはんとお酒、買っとくね」
だから
早く帰ってきて
これは言う事は出来なかった
…恥ずかしくて
『…飲むなら、泊まるよね?』
「え…」
『その方が、ゆっくりできるでしょ』
「あ…うん」
…この言葉の意味は
電話を切るまで分かってなかった
