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修練の鏡と精霊の大地

第20章 ラスボス

 ペタロは二人の純化を目で確認した。人間の要素と妖精の要素が分かれたんだと、認識もした。


「そうか……ひとつの肉体では、一生続かないんですね。だが、私はどっちの純化さんも、共存してほしい。私は人間ではない。妖精として綺麗に見せかけていた闇の者。だが、光の者達とも、人間とも、平和に協力し合うことを心以上に望む!! 二人の純化さんに問う。あなた方の返事を聞きたい。それに、私は純化さんを、どっちの純化さんも愛している!!」


 ペタロは真の中から叫んだ。


 純化はその訴えには、なにも言えなかった。


 大きな奇跡が起こらないかぎり、ペタロの希望が叶うことはない。


 今の状態では、ペタロそのものは味方として見れても、吸収している本体、闇の帝王プーロンは、敵以外なんでもないのだ。


 心だけでは、どうしようもなかった。


 だが、闇の純化は答えた。


「私は、闇の者。あなたの気持ちはわかるけど、肉体はどうにもならない。プーロン様を裏切れない。ならば、せめて……私は、あなたとご一緒したい」


 闇の純化は、屋上の柵に手をかけた。


「だめ、止めて!!」


 純化は、闇の純化を防止しようと、かけよった。


「おい、純化! 危ないぞ!!」と輝が、純化の足に飛び付いた。


 すると、コウヤが闇の純化の方に走った。


「させるかっ!! 一緒になったら、帝王プーロンの力になっちまうじゃねえかっ!!」


 コウヤは闇の純化を腕を掴んだ。


「そうはさせるかぁっ!!」


 すでに帝王プーロンに吸収されていた、タクノアンの口が大きく開き、そこから雷が放出された。


 その雷が、コウヤの体を貫いた。熱く、体を固めるような激痛が、全身を走る。


「グゥアッッ!!」


 苦痛な叫びをあげ、コウヤは後ろに弾き飛ばされた。



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