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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

 球也は、あるところに目を向けた。


 そこは、店の前に樽が並べてある。


「あ、あれそうじゃないっすか?」


「どれ?」


「樽がいっぱいある所です」


 純化がそれを見て考える。


「球也ちゃん、よう考えないかんよ。ここはそんなキーワードは通用せえへん所やで。樽がおいてるだけで、実は……てのが、あるからなぁ」


 その可能性は、大いにある。


 球也は、ひとつの賭けを試した。


 近くを杖をつきながら、フラフラ歩く老人男性に話しかけてみた。


「すんません、ちょっとお聞きします。酒飲み屋ってどこにあります?」


 老人はポカンと口を開け、頭の中で受けた質問を整理したのか、自分だけで納得し、杖の先である方向を示した。


「あぁぁ、あのねぇ、そこのバンタリンさんの家に行って〜、聞いてくれたら〜、よくわかる」


 その老人はそう言い捨てて、またフラフラと歩いて去っていった。


「あの家に行って聞けばいいらしいです」


「まあ、ヒントにはなったんやな。ほな、行こか」


 二人は老人から聞いた、バンタリンという人物がいるという家に向かった。



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