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修練の鏡と精霊の大地

第20章 ラスボス

<早よう来んかいっ!!>


 いきなり鏡からソーヤが顔を出した。


 球也は黄色い箱を、後ろにとばしながら驚いた。


「ビックリしたぁっ!! なんなん自分!?」


<なんなん自分やないやろ!! むこうはえらいことになってんやで!!>


「いや、正直、怖いやん!! そんなん、笑ってすむような話ちゃうやん」


<今まで笑ってすませとったやつが、なに言うてんねん! 怖いことあるかいな!! さんざん、とんでもないことしとったやないか!!>


「待てっ、俺はそれほどなにもしとらんぞ。思い出してみろ……だいたい事をしずめてたんは、莉子さんやコウヤさんとか精霊達やで。俺、剣を持って、ヌカーと向かい合っても、何一つ交えることなかったんやぞ」


 ソーヤは腕を組んで目を閉じた。確かに、それほど目につく活躍は無かった。


 塔の中でも、運とボケだけで進んでいったようなものだ。


「どうや、なにも言い返せまい」


 球也はアゴを突き上げ、ドヤ顔で言った。


<なんや、逃げんの? あんた、それでもチ○コの毛はえてんのか?>


「行きますから、それ以上いわない」


 球也は鏡の中に入った。


 鏡を抜けると、強い風が顔に当たる。


 着いたのは、ビルの屋上だった。


 先に来ていた五人は、中央に集まり、天を仰いでいた。


 空には大きな渦がある。


「うわぁ〜、やばいって……僕らが来たかて、どうにもならんやんか……」


 球也は思わず愚痴をもらす。


「おう、キュウ、やっと来たか」とコウヤが声をかける。



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