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第11章 遅れてきた反抗期

「ちょっと。華さん!」

「嫌だ…気持が悪い…。」

「そんなに擦っても取れないわよ。ほら擦ったところが真っ赤になったでしょう?」

擦ったところが、ヒリヒリとしだしたけど、あたしはこの跡を消したかった。ママが止めるのも聞かず力一杯擦った。

「華さん!」

ママが強い口調で言った。

「華っ!やめなさい。」

ママはあたしの手を止めた。

「何も無かったのよ。」

「それは判ってる!でも気持ちが悪いの。」

ママはあたしを強く抱きしめた後、タートルネックのシャツをあたしに着せ乍らいった。

「最悪な事態にはならなかったの。」

ママも若い頃に同じようなことがあったと話した。

「いい?華さんはもう大きくなったから、私は話すのよ?最悪の事態…それは強姦されて、それが元で妊娠したり、病気を移されたり…。私はそういうことを言ってるの。」

あたしはベッドに潜り込んでママに背中を向けた。

「暫くライブもコンサートも駄目よ。OK?」

あたしは返事をしなかった。ママはまたため息をついた。

「ママのため息は聞き飽きた。用が無いなら帰ってよ。」

あたしはいつの間にか寝てしまったらしい。

…そうなの…だから…。

ママが誰かと話す声が聞こえた。

「静さんが、レイプ・キットをして貰うように頼んだことが、華さんは気に入らないし、〝何も無かった″事を、静さんにもあなたにも知られたことが嫌なんですって…全く。」

ママは少し怒った声で言った。

「僕は何も無くて本当にホッとしました。それは静さんも同じです。落ち着くまで外出はさせないで様子を見ましょう。安定剤も腎機能が悪かったんで使えないんです。」

話している相手はパパだった。

「“何も無かった”んだから別に良いでしょう?」

あたしは振り返ってふたりに言った。

「華さん…暫くは学校以外は外出禁止にします。」

パパが静かに言った。

「それから、コンサートもライブもこの先行くことを禁じます。春さんにも伝えておきますから。」

春さんはあたしのおばあちゃんだ。

「春さんは関係無いじゃない!」

「あなたは、知らない人について行ったんですよ?リツさんが居なかったら…。」

ママが慌ててパパを止めた。

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