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第15章 真相

 すると、松がボディーガード達に言った。


「すまない、その奥の壁を下ろしてくれないか?」


 一人が軽く頷き、棒の様な物で壁を下げた。


 スルスルと舞台の緞帳の様に壁が下がる。完全に下がったのを確認すると松が説明を始めた。


「あの広海がもたれていた壁は、ここと同じような仕組みになっている。ちなみに、この壁はそれほど固くない」


 松は壁に頭をぶつけて見た。


『ガツッ!! ガツッ!!』


「それほど痛くはないし、少々ぶつけた程度なら死なない。つまり、頭を打って死んだと言うのは考えられない。仮にこれで死のうものなら端から一気に走って頭からガツンと突っ込むしかないんだ」


 だが、松の目はやや涙目だった。


「じゃあ、どうして死んだの?」と、ルキアは問う。


 松は桃太郎に「俺が説明する」と、合図をかけ一度咳払いをした。


「よし……ケンちゃん! ちょっと聞くがいいか?」


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