
LIFE
第17章 見つめていたい〜新しいキャンパス〜
「大人になる途中…。」
「そ。
大人の階段登る…ってやつ。」
「早く大人になりたい…かも。」
抽象的な会話なのに、ちゃんと返事してくれるのが嬉しかった。
「急いで大人になる必要はないよ。ゆっくり大人になれ?」
「はい。」
随分と気持ちが楽になった僕はもう相葉さんに会いたくなってる。
まだ部活やってるよね。
教室に戻って眺める時間は残ってるはず。
教室へ戻る前に大野さんにお願いがあったのを思い出して近くにいった。
「大野さん。お願いがあるの。
相葉さんの絵。
飛んでる絵…もしよかったら一枚ください。」
「いいよー。
そのスケッチブックの中のは?
見てみて?」
指のさす方のスケッチブックを手に取ると、こないだまで描かれていた相葉さんの絵がたくさん。
