
大切な人へ
第17章 雨の終業式
「さっきの元カノ」
『そっか...』
なんとなく話でわかってたけど
「2年になってすぐ別れた
俺に他に好きなやつができたからって」
...... 。
「今日も一緒だったし藍野だって
思ったんだろうな あってんだけど」
なんて言ったらいいの?
「メールとか学校で話しかけられたりしても
ほぼ無視してて。まさか家で待つとか...
巻き込んでごめん」
『もういいから...大丈夫だから謝らないで?』
井川くんが悪いわけじゃないのに
そんな顔しないで
「さっき...すっげー痛そうだったし
どっかケガとか打ったりしたんだろ?」
『あー...えっと...
元々ちょっとケガしててね?そこ打っただけなの』
笑おうとするけど引きつってそうで
彼の視線が痛いです...
『あれくらいで転ぶとか ぶつけるとか
運動神経悪い私もいけなかったんだよ!ごめん』
「関係ないだろそれ」
また沈黙...何かない...?
『お腹空かない?』
「そうだな...何かあるか見て来る」
そう言ってすぐ彼は1階のキッチンへ...
しまった...
人の家で何言ってんの私
ずうずうしい発言に撃沈...
