ただあなただけを見つめる
第24章 生きること
暁のいない生活に張り合いなんてなかった。
ご飯もろくに食べてない。
何を食べてもまずいとしか感じない。
バイトもミスばかりで、
事情を知っている店長や奥さんは“しばらく休みなさい”と言った。
体重も減った。
暁と付き合って50キロまでいきそうだった体重はもうすぐ40キロを切る。
別れたあの時よりも酷い体重の減少。
鏡に映る自分は酷くやつれ、滑稽で思わず笑ってしまう。
暁に会いたい。
会って話したいよ…。
そう願ったが、暁がそれを拒否しているらしい。
私に合わせる顔がないって。
心配して駆け付けてくれたのは旭さんだった。
暁が逮捕された日から毎日のように食事を作りに来てくれる。
「夏帆、また痩せた?
ちゃんと食えよ。死ぬぞ。」
「いらない…。」
「またそんなこと言う…
暁だって心配してるぞ。」
「じゃあ帰ってきてって言ってよ…。」
目の前に出されたおにぎりを旭さんに突き返す。
旭さんは困ったようにため息をついた。
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