テキストサイズ

異彩ノ雫

第281章  三ノ月 Ⅲ ②




風が仄かに水の匂いを運ぶ夜

弥生の月は

朧な闇を身にまとい

目を伏せ空に立ち尽くす



窓から伸ばす指先に

したたる明かりを絡ませれば

胸の潤みがあふれだす



夜鳴きの鳥が 想いを乱す







【朧夜】


ストーリーメニュー

TOPTOPへ