テキストサイズ

異彩ノ雫

第276章  二ノ月 Ⅲ ②




ゆっくりと淹れた

緑茶の

最後の滴がぽたりとおちる



滑らかな陶器の肌を

包み込む両の手に伝わる

潤んだような熱


あの日握った

柔らかな手のぬくもりに似て…



堪えた想いがあふれだす







【水色(すいしょく)】



ストーリーメニュー

TOPTOPへ