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異彩ノ雫

第275章  恋文 (四十一)




どこまでも続く水平線…

こうしていると
少年時代の夏を過ごした
あの海を思い出す


君と出会った渚
ひと月だけの逢瀬
また来年、と言いながら
手を振り続けた夕暮れの駅


いくつの季節を過ごしたろう



そして 三年前
愛している、のひと言を
言えないまま別れたことを
悔やんでいるよ



…君は今 幸せでいるだろうか







(了)




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