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異彩ノ雫

第271章  一ノ月 Ⅲ ④




遠く 車窓に流れる山の稜線が

旅心を駆り立てる



冬枯れた木の間からのぞく高い空

肌を刺す冷気

花の息吹を覆いかくす雪のしとね



ひたすらのしじまの中

梢を渡る風に私は尋ねるだろう

私の行き先を…


たとえ応える声はないとしても







【ひとり旅】


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