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異彩ノ雫

第269章  一ノ月 Ⅲ ③




ぱらり
ぱらり……
ページを捲る

過ぎた日々が
音を 匂いを連れて
浮かびあがる


おはようの声
食器の触れる音
淹れたての珈琲の香り


刻まれた記憶は
忘却の淵に眠るばかりで
いつの時も
たやすく 鮮やかに
甦ってみせる



見上げれば
オレンジに染まる窓ガラス


ああ
今日の日も暮れてゆく…







【diary】


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