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異彩ノ雫

第251章  十一ノ月 Ⅲ




気付いているのに
知らないふりのツレない背中を
傾きかけた陽が金色に染めてゆく

窓辺の椅子は君のお気に入り
けれど
見つめる先に求める人の影はない

── ねえ
君の そして 僕の彼女は
何処を旅しているのだろうね

長い尾をゆらりと揺らしながら
君の瞳は
今日も宵闇の空を映しつづける







【cat's-eye】


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