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異彩ノ雫

第210章  六ノ月 Ⅲ




せわしげに行き交う人波の中
俯きがちに歩く濡れた舗道

雲間からさす陽を映して
水たまりが小さく光る


立ち止まり
爪先でそっと波立たせれば
世界が大きく揺らぐような
軽い眩暈と無音の風…


一瞬ののち
耳に流れ込むざわめきは
君恋しさを胸に満たす







【雨あがり】


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