
愛は要らないから…
第14章 俺のもの
「はぁ…」
家に帰っても、今はまだ一人部屋の空間でも
ため息は止まらない…
あ、そうだ
一応大和がいつ帰ってくるか聞いておかないと
俺はズボンのポケットから携帯を取り出して
少し震えた指先で操作し始めた
電話なら大丈夫…大丈夫だけど……
用件だけさっさと言って切ればいいんだけど…
久しぶりに話をする事に対して緊張するし
いつも週末に大和の家に行っていたのに、勝手な俺の行動で辞めたことを
どうしてだ?って聞かれると思うと
なかなか通話ボタンを押せない
いや、大丈夫大丈夫…
なんとかなる。
何かあったら適当に嘘つくか切っちゃえばいい
大和から連絡なかなかしないから
わざわざかけ直す何て事もしないはず!
うん…
よし!
俺は数回深呼吸をして
やっと大和に電話をかけた
いつも通り、平然を装えば大丈夫
それか今出るか分かんないし!
最後に逃げるような思考が現実にならないかな?なんて事を頭に巡らせながら
呼び出し音を聞いていた
「…もしもし」
